30年の軌跡30 years of history
一般社団法人 SST 普及協会 30 年の軌跡(第一稿)
2024年11月 創立30周年記念事業実行委員会 総務委員会(文責:松浦彰久、河岸光子、安西信雄)
SST普及協会は 1994年の「入院生活技能訓練療法」診療報酬化の翌年1995年に発足し、2014年12月に一般社団法人となりました。創立30周年を記念して、2024年11月23-24日にプレ大会、2025年7月5-6日に30周年記念本大会が開催されます。
"Wer die Vergangenheit kennt, der kann die Zukunft erkennen." - Richard von Weizsäcker
過去を知る者のみが未来を知ることができると言われます。そこで、私たちが歩んできた道を振り返り、未来を展望するための資料として、歴史年表をまとめました。
1995年の協会創立までを普及協会<創立前>、1995年から2014年までを普及協会<創立後~法人化まで>、その後現在までを普及協会<法人化以後>として区別してあります。30周年記念のプレ大会前に急いで作成したものですので、これを叩き台としてご意見をいただきながらバージョンアップを目指したいと思います。記載の不足や誤りにお気づきの方はSST普及協会事務局にご連絡をお願いします。
なお、歴史資料ですので、敬称は省略させていただくこと、所属や肩書きは当時のものであることをお断りします。
1.普及協会<創立前>-本邦へのSSTの紹介と導入
1974年頃から
坂野雄二(早稲田大学)、山上敏子(国立肥前療養所)、皿田洋子(福岡大学)などが、それぞれの施設でSSTを実施していた。
1988年
東京大学医学部附属病院精神科の丹羽真一(当時同大学助手)が文部省科学研究費の海外研究者招聘を申請し研究費を獲得して、米国カリフォルニア大学(UCLA)のリバーマン(Robert P. Liberman)教授を東大医学部に客員教授として招聘した。東大精神科では前年から丹羽のリーダーシップのもと、坂野雄二教授を招いたSST講演会や文献学習、SSTの紹介論文の作成などに取り組んでいたが、リバーマン招聘が決まったため、丹羽から精神科デイホスピタル(DH)担当者に協力の申し入れがあり、若手医師を中心に受け入れ体制が構築された。
リバーマンは東京と長崎で開かれた大規模なワークショップ(日本精神衛生会、日本集団療法学会などの主催)で講演を行った。東京の会場ではボランティアで参加した東大病院精神科デイホスピタル(DH)の患者さんを対象にリバーマンがSSTのデモンストレーションを実施して感銘を与えた。リバーマンは東大DHでも患者さんを対象にSSTを実施したが、参加した患者さんたちから「DHでもSSTを実施して欲しい」という要望が出され、同年4月から宮内勝、安西信雄、熊谷直樹、池淵恵美らに前田ケイが加わってDHでSSTが開始された。その後もリバーマンとの交流は2020年8月に亡くなるまで続いた。
1989年
8月15日SSTニューズレター準備号が発行された。安西信雄らにより日本障害者雇用促進協会委託研究費を得て発行が具体化された。発行はSSTニューズレター事務局(代表:安西信雄、事務局:前田ケイ、宮内勝、池淵恵美、熊谷直樹、本荘幾代ら)で、その時点までに発表されていたSST関連の学会発表10件を紹介し、全国に情報共有を呼びかけた。
8月25日から2週間、丹羽真一の勧めにより池淵恵美と安西信雄がUCLAと関連施設を訪問しリバーマンからSSTの指導を受けた(翌年8月には宮内勝と熊谷直樹がUCLAと関連施設を訪問してリバーマンの指導を受けた)。写真はUCLA関連の在郷軍人病院ブレントウッドのリハビリテーションセンターのリバーマンで、後ろにサクセスフル・リビングのポスターがある。
10月11日 丹羽真一の促しにより安西信雄が福岡大学の西園昌久教授室を訪問し、教授にSST普及への協力を依頼した。西園はSSTの普及のため、①中山書店現代精神医学大系’90に総説「SSTと精神科リハビリテーション」の執筆、②(社)日本精神病院協会学術研修会精神医療セミナー(1990年、岡山)演者に安西を推薦された。写真は福岡大学精神科教授室で撮影したもの。(詳しくは西園昌久著:SSTと精神療法 pp.239-277を参照)
10月15日 SSTニューズレター第1号を発行した。編集方針は、①実例に即した具体的方法やケースの紹介、②理論的背景や解説を簡潔に、③横の情報交換の場を提供などであった。17施設でSSTを実施中(5施設で実施予定)と紹介し、アンケートで得た14の質問へのリバーマンの回答を掲載した。(以後SSTニューズレターは、1991年までの2年間は年間6号、2015年までの24年間は年間4号発行された)
12月 ニューズレター第2号から前田ケイ(当時 日本ルーテル神学大学教授)の随想やQ&Aなどが連載され好評を博した。
1990年
1月27日 日本集団精神療法学会(上智大学)でシンポジウム「集団精神療法としての生活技能訓練」が開催された。以後しばらくの間、日本集団精神療法学会の際にSSTワークショップが開催された。
1月にリバーマン著(安西信雄監訳)『生活技能訓練基礎マニュアル-対人的効果訓練』(創造出版)が発刊された。
4月 UCLAのG・ブラックウェル、T・エクマンによる生活技能訓練ワークショップ(実行委員長 東大精神科 宮内勝)が東京と福岡で開催された。服薬自己管理モジュール、症状自己管理モジュール、問題解決技能訓練などについての講義と実施方法が紹介された。写真右はゲイラブラックウエル、その左は通訳の前田ケイ、左はブラックウエルと対話する齋藤潤子、その左に坂野雄二の顔も見える。
写真は前列中央は西山詮東大助教授、その右は豪快に笑うブラックウエル、左はエクマン。前列左端は前田ケイ、右端は丹羽真一。講演会後の実行委員等の集合写真。
8月、9月に雑誌『集団精神療法』と『臨床精神医学』でSSTの特集が組まれた。
第2回SSTアンケートが実施され、SST実施施設は34となった。
『子どもの対人行動』『うつ病の対人行動治療』(岩崎学術出版社)が発刊された。
1991年
5月18日 リバーマン教授のワークショップが東大で開催された。前半はリバーマンの講演「生活技能訓練の最新の知見-再発準備性の高い精神分裂病患者を対象とした生活技能訓練の効果」で、後半は症例提示にもとづくディスカッションとリバーマンによる実技指導が行われた。
前年に開催されたT・エクマンのワークショップが安西信雄編集・池淵恵美訳により『生活技能訓練演習』として(財)日本精神衛生会から発刊された。雑誌『作業療法ジャーナル』の5月号にSSTの特集記事が編まれた。以後、さまざまな雑誌や学会でSST関連記事や演題が取り上げられた。
★平成3年度厚生科学研究費「精神障害者福祉施策研究(菱山班)」の分担研究班として「わが国の精神科リハビリテーションの現状とSSTのニーズ」(分担研究者:安西信雄)が組織されSSTの診療報酬ガイドライン案が検討された(1992年に報告書が出され、診療報酬のひな形となった)。
1992年
角谷慶子(当時 京都府立精神保健総合センター)がリバーマンのもとへの3ヵ月間の留学経験をもとにSSTニューズレターに「ブレントウッド通信」を連載した。
診療報酬化に向けた検討および厚生省への働きかけが行われた。
1993年
5月26日 サンフランシスコで開かれたアメリカ精神医学会(APA)のSSTモジュールの国際的普及に関するシンポジウムに池淵恵美、熊谷直樹、安西信雄が参加し、池淵恵美がロールプレイテストを用いたデイケア患者の生活技能評価と入院患者を対象とする服薬自己管理モジュールの評価結果を報告した。
Ikebuchi, E., Anzai, N., Miyauchi, M., Kumagai, N. and Maeda, K. Research on the effect of medication management module evaluated with the role play test.
The APA 1993 Symposium, International Dissemination of Skills Training for the Seriously Mentally ill.
8月23~27日 幕張メッセを主会場として開かれた世界精神保健連盟1993年世界会議でSST国内演題発表とリバーマンの特別講演あり、リバーマンによるSST実践セミナーが開かれた。
★SSTの効果評価のツールとして「ロールプレイテスト日本版」の作成が池淵恵美らにより進められた。
『リバーマン実践的精神科リハビリテーション』(リバーマン編、安西信雄、池淵恵美監訳)が創造出版から発刊された。
1994年
4月 SSTが「入院生活技能訓練療法」として診療報酬化された。
7月23~24日 21人の呼びかけ人によりSST普及会の準備会が開催され、第1回認定講師研修会が日本橋の丸善第二ビルで開催された。この会議でSST普及会の趣旨や目的、SST研修会の基準(案)を定めた。講師研修会には30数名が参加した。(SSTニューズレター6巻3号 p.11-15, 「SST普及会(準備会)の発足と第1回SST講師研修会の報告」を参照されたい)
2.普及協会<創立後~法人化まで>
1995年
2月5日 SST普及協会が創立された。定款でその目的を「本会は、日本各地でのSSTの普及と精神科リハビリテーションの発展に貢献すること」と定め、運営委員会(27名)が会長に西園昌久教授(福岡大学)を選出した。ニューズレターの発行はSSTニューズレター事務局からSSTニューズレター編集委員会(皿田洋子、角谷慶子、村田繁雄、鈴木丈)に移行となった。組版や発送作業をJHC大山に移管された(協会創立の経緯や目的、構成と主な活動はSSTニューズレター6巻4号と5号をご参照下さい)。
6月8日 SST普及協会発会記念講演会が東京ステーションホテルで開催され、約110名が参加した。西園昌久会長の記念講演「わが国におけるSST発展への期待」に続いて、前田ケイからSSTのデモンストレーション・ビデオが紹介された。各界からのご挨拶として吉田哲彦厚生省精神保健課長、河崎茂日本精神病院協会会長、島薗安雄日本精神衛生会理事長・世界精神保健連盟などから祝辞をいただいた。
10月5日 個人会員473名、賛助会員111施設
10月14日 第2回認定講師研修会;50名以上の参加
★この年、自立生活技能(SILS)モジュールが丸善ニューメディア部より発刊され、SSTのモジュールの普及が始まった。
1996年
7月 ニューズレター合本第1巻が発刊された。
7月20日 経験交流ワークショップin YOKOHAMA(加瀬昭彦実行委員長)が開催された。
10月5日 講師研修会が福岡大学セミナーハウスで開催された(責任者:皿田洋子)
12月8日 第1回学術集会(宮内勝実行委員長)が東京医科歯科大学で開催された。UCLAのリバーマン教授が「SSTの効果に関する研究の到達点と展望」を講演した。会場定員一杯の160名が参加した。
1997年
★SSTの対象が慢性の精神障害をもつ人々やデイケアや作業所だけでなく、女子少年院、思春期病棟、長期慢性病棟などへと広がった。職種では特に看護職での普及が進んだ。
1月 個人会員666名、賛助会員42施設
3月 第17回日本社会精神医学会でシンポジム「SSTと精神科リハビリテーションの新たな発展」が開かれた。
6月 経験交流ワークショップin Fukushima(丹羽真一実行委員長、白潟光男事務局長)が開かれ、西園昌久会長から「精神医療の動向とSSTの役割」の講演があった。認定講師研修会が開かれた。
9月 協会ホームページが開設された(安西信雄事務局長が作成)
10月4日 現在、認定講師37名
11月20日 『季刊精神科看護』第60号で「看護者が活かすSST」が特集された
12月 第2回学術集会(宮内勝実行委員長)が順天堂大学有山記念館講堂で開催された。西園昌久会長の挨拶に続き、実技デモンストレーション、特別講演と関連演題、一般演題発表があった。第1回会員総会開催され、36名の運営委員が選出された。会長、事務局、研修委員会、ニューズレター編集委員会、組織委員会、渉外委員会、認定講師事務で組織が構成された。
★以後、年1回の会員総会および学術集会、年1~2回の認定講師研修会・経験交流ワークショップが協会の基本事業として定着した。
1998年
2月 『精神看護』で特集「SSTの今とこれから」が組まれた。
7月 経験交流ワークショップ+認定講師研修会in KOCHI(井上新平大会長)が開催された。「完全初心者コース」も同時開催され、以後の定番となった。
12月5日 第3回学術集会(宮内勝実行委員長)が安田生命アカデミアで開催され、西園昌久会長から「日常生活能力とSST」の講演があった。
個人会員826人、賛助会員260人。将来計画委員会が創設された。
1999年
1月 経験交流ワークショップ+認定講師研修会 in 名古屋(粉川進事務局長)が開催された。西園昌久会長講演「患者がSSTで体験すること」。
8月 第5回経験交流ワークショップ in Hokkaido(上野武治実行委員長)が開催され、西園昌久会長講演は「SSTに学ぶもの」であった。
12月11日 第4回学術集会横浜大会(加瀬昭彦実行委員長)が開催され、西園昌久会長講演は「癒しの過程とSST」であった。
2000年
これまで運営委員を中心にSSTの普及を進めてきたが、世話人会を発足させることになり、全国の都道府県単位で地区世話人を選出し、看護・OT・精神保健福祉士などの職域ごとに世話人を選出した。
全国世話人会によって一層の普及発展が始まった。写真は2000年7月の全国世話人会発足時のもの
2月 経験交流ワークショップ+認定講師研修会2000 OSAKA(岩田和彦実行委員長)が開かれ445名が参加した。西園昌久会長講演は「チームリーダーの役割と機能-SSTを支える治療的環境」であった。特別講演は安西信雄から「地域生活への再参加プログラムの効果と応用可能性-分裂病入院患者を対象とした無作為割付臨床試験の結果から-」であった。
★「通院生活技能訓練療法(新設)」と「入院生活技能訓練療法」を改定する要望書を提出した。
7月15日 第1回全国世話人会(天笠崇担当)が開催され、地区世話人37人、職域世話人2人、運営委員18人が参加した。以後、年1回の開催が定例化した。
12月 第5回学術集会福岡大会(皿田洋子実行委員長)が開催され411人が参加した。西園昌久会長講演は「慢性期SSTのエッセンス」であった。
★『わかりやすいSSTステップガイド』(A・S・ベラックら著、熊谷直樹・天笠崇・岩田和彦訳)が星和書店から発刊され、以後「べラック方式」として普及が進んだ。また、協会監修のビデオ『生きる力を創る-SSTの理論と実際』全3巻(ジェムコ出版)が発行された。
2001年
1月 ニューズレター誌上で「Evidence-Based SST」(岩田和彦執筆)の連載が開始された。
1月~経験交流ワークショップ+認定講師研修会 in 岡山(武田俊彦実行委員長)が開催され365名が参加した。医師コースが初めて企画され50名が参加した。西園昌久会長講演は「集団としてのSST」であった。
★認定講師研修会の教材作成、審査システムの改革など認定講師審査システムの改善について検討された。
3月号からニューズレター誌上で「世話人だより」の連載が開始された。
6月19日時点で、個人会員1161人、賛助会員206施設。認定講師は48人。
7月 第2回全国世話人会(天笠崇実行委員長)が慶応大学附属病院会議室で開催された。西園昌久会長挨拶、丹羽真一将来計画委員長の報告に続いて、リバーマン教授記念講演「コミュニティーメンタルヘルスにおけるSST」あり。看護職・地区ブロックごとに「代表世話人」が選出された。
12月 第6回学術集会東京大会(八木原律子実行委員長)が開かれ458名が参加した。西園昌久会長講演は「精神科個人面接におけるSST適用の試み」であった。特別講演「新規抗精神薬とSSTによる生活障害の改善」(丹羽真一)があった。シンポジウム「学び、実践して~ユーザーからみたSST」という当事者参加企画が開催された。この時点での運営委員は32人、地区世話人50人、職域世話人3人であった。
2002年
7月 第8回経験交流ワークショップ+認定講師研修会 in 山口(渡辺義文実行委員長)が開かれ、西園昌久会長講演は「SSTにおけるロールプレイと“ほめること"」であった。第3回全国世話人会(天笠崇担当)を同時開催し、世話人23人、運営委員15人が参加した。写真は山口での運営委員。前列左から宮内勝、川室優、前田ケイ、中列右手に西園昌久会長の姿あり。
8月 世界精神医学会横浜大会においてワークショップ“Social Skills Training in Asia"(丹羽真一座長)が開催された。
9月より 認定講師審査方法にシミュレーション審査が新設された。
11月 第7回学術集会札幌大会(上野武治実行委員長)が開催され約400人が参加した。西園昌久会長講演は「SSTを普及させる土壌づくり」であった。
2003年
3月 第9回経験交流ワークショップ+認定講師研修会 in 上越(川室優実行委員長)が開催され505人が参加した。西園昌久会長講演は「長期入院患者の社会復帰のためのSST」であった。特別講演は「認知療法と統合失調症」(大野裕慶応大学教授)で議論が盛り上がった。
★この年頃から、認知療法との積極的な交流?フュージョンが始まった。
10月 認定講師研修会 in 福島
12月 第8回学術集会 in 幕張(野末浩之実行委員長)が開かれ658名が参加した。西園昌久会長講演は「地域ケアの時代の精神科医療の理念と技術」であった。第4回全国世話人会同時開催され、運営委員13人、世話人34人が参加した。
★ニューズレターで関連学会の参加報告が始まった。
2004年
7月 世界行動療法認知療法会議2004が神戸で開催され、リバーマンやミューザーのワークショップやSST関連のシンポジウムが開催された。
9月 第10回経験交流ワークショップ in 青森(船木昭夫実行委員長)が開催された。
12月 第9回学術集会・栃木(加藤敏大会長)が開催された。西園昌久会長講演は「個人的ケアと集団過程の間」であった。A・S・ベラック博士が来日し、特別講演「統合失調症の社会生活技能とSSTに関する今日の動向」、シンポジウム「多様な病態に向けたSSTの展開」などが開催された。
2005年
2月 経験交流ワークショップ in OSAKA2(角谷慶子実行委員長)が開催された。西園昌久会長講演は「精神保健従事者としての基本的対人コミュニケーション技能」。特別講演は「統合失調症の認知療法(理論編)」(原田誠一国立精神・神経センター部長)であった。
5月 SST普及協会が日本精神神経学会精神医療奨励賞を受賞した。写真は奨励賞。
西園会長はアメリカ精神医学会参加中のため代理として安西信雄と池淵恵美が賞状を受けた。
9月 ニューズレター組版と発送業務をJHCいずみに移管した。
10月 精神医療奨励賞受賞記念シンポジウム「SSTへの期待と注文」が東大鉄門講堂で開かれ84人が参加した。授賞者として社団法人日本精神神経学会の山内俊雄理事長、開催地代表として加藤進昌東大教授から挨拶あり、SST普及経過の説明(安西信雄事務局長)につづいて、「SSTへの期待と注文」として講座担当者会議岡崎祐士会長、日精協森隆夫常務理事、大塚恒子看護技術協会理事、香山明美作業療法協会常務理事、伊藤秀幸精神保健福祉士協会常任理事から発言があった。SST普及協会から丹羽真一将来計画委員長、池淵恵美研修委員長が指定討論を行い、西園昌久会長の挨拶で締めくくられた。
11月 第10回学術集会 in 福島(丹羽真一大会長)が「“おもしぇ" 福島SST学校」をテーマに開催された。西園昌久会長講演は「人と人をつなぐこころと言葉」であった。
普及協会地方支部定款の雛型を策定した。
★協会の新たな発展を目指し将来計画委員会を中心に組織改編など検討が開始された。
2006年
1月 ニューズレター合本第2・3巻発刊
7月 第12回経験交流ワークショップ in 福岡(皿田洋子実行委員長)が開催された。西園昌久会長講演は「skills 技能ということ」であった。
12月 第11回学術集会名古屋(尾崎紀夫大会長)が開催された。西園昌久会長講演は「統合失調症者の不安とコミュニケーション」であった。
2007年
9月 第13回経験交流ワークショップ in 高松(井上新平大会長)が開催された。西園昌久会長講演は「社会復帰力とSST」であった。
12月 第12回学術集会 in 下関(渡邉義文大会長)が開催された。西園昌久会長講演は「社会復帰要因としての関係性を築くこととSST」であった。
★全国に11地方支部が結成され、協会加盟を果たしたことに伴う大幅な協会定款の改定あり。
2008年
8月 第14回経験交流ワークショップ+認定講師研修会 in 東京(加瀬昭彦実行委員長)が開催された。西園昌久会長講演は「道具としての言葉の不完全性-SSTへの期待-」であった。
12月 第13回学術集会in前橋(三国雅彦大会長)が開催された。大会テーマは「当事者と家族のためのSSTにより、精神科医療を変革し、社会生活への参加をめざす」であった。西園昌久会長講演は「当事者と家族の苦悩と不安への治療的関り」であった。
運営委員会と世話人会の第1回合同会議が開催された。
2009年
9月 第15回SST経験交流ワークショップin奈良(岩坂英巳大会長)がテーマ「まほろばの奈良の都で温故知新―しかと学新しきSST―」で開催された。西園昌久会長講演は「SSTと関係性の回復と進歩」であった。
12月 第14回学術集会in札幌(上野武治大会長)が大会テーマ「権利回復とSST」のもとに開催された。西園昌久会長講演は「再発防止とSST」であった。
2010年
8月 第16回経験交流ワークショップin福島(丹羽真一大会長)が大会テーマ「脳機能―SST―リハビリテーション」のもとで開かれた。西園昌久会長講演は「SST;治療室から実生活へ ~訪問サービス研究の意味するもの」であった。
11月 第15回学術集会in富山(鈴木道雄大会長)が大会テーマ「今、この想いを伝えたい―SSTの可能性を考える―」のもとで開かれた。西園昌久会長講演は「SSTへの期待―孤独からの脱出」であった。
全国5ブロックで協会支部が力を合わせ「精神科訪問サービスにおける対人援助技術研修会」が開催された。
2011年
8月 第17回経験交流ワークショップinあいち(粉川進大会長)が開かれた。同年3月の大震災に関連して西園昌久会長講演は「限界状況とコミュニケーション-大震災に学ぶ-」で、緊急企画「震災後のケアにSSTはどう生かせるか」(丹羽真一福島県立医科大学教授)の講演があった。
12月 第16回学術集会in長崎(大会長小澤寛樹長崎大学教授)で大会テーマ「原点回帰~さらなる発展~」のもとに開かれた。西園昌久会長講演は「治療関係者などのスキルアップとSST」であった。
11月4日 東京で開かれたPPST研究会セミナーのためリバーマン教授が来日して「リカバリー・モデル」について講演した。1988年初回来日以来のSSTの普及と発展への貢献に感謝して西園昌久会長から感謝状と記念品として博多人形「羽衣」を贈呈した。
写真は贈呈式の際のリバーマンと西園会長。
2012年
6月 第18回経験交流ワークショップin札幌(上野武治大会長)が大会テーマ「生きる力を励ますSST」のもとで開かれた。西園昌久会長講演は「生きる力をいかに支えるか」であった。
12月 第17回学術集会in埼玉(天笠崇大会長)が大会テーマ「SSTの本質を探る」のもとで開かれた。西園昌久会長講演は「SSTと心の内なる変化」であった。
2013年
8月 第19回経験交流ワークショップinいわて(智田文徳大会長)が大会テーマ「SSTわんこ盛り~いつでもあなたのおそばに~」のもとで開かれた。西園昌久会長講演は「喪失からの回復、そして自己実現にいかに関わるか」であった。
12月 第18回学術集会inえひめ(上野修一大会長)が大会テーマ「共に生きる~共に支え合うSST~」のもとで開かれた。西園昌久会長講演は「親密欲求と不可侵欲求との狭間―SSTの効用」であった。
12月末 高齢のため西園会長が会長を勇退された。
2014年
1月 SST普及協会が一般社団法人となった。一般社団法人として発足した新理事会で互選が行われ、会長は丹羽真一、副会長は安西信雄と皿田洋子となった。西園昌久元会長は名誉会長となった。
7月 第20回経験交流ワークショップin前橋(後藤雅博大会長)が大会テーマ「出会い、広がり、そして社会へ」のもとで開催された。丹羽真一会長講演は「SSTのこれから」であった。
12月 第19回学術集会in仙台(丹羽真一大会長)が大会テーマ「生きる力を高めるSST~がんばっぺ!SST~」のもとで開催された。西園昌久名誉会長講演は「自己評価の病理とコミュニケーション」であった。
2015年
8月 第21回経験交流ワークショップin広島(的場文子実行委員長)が大会テーマ「広島の祈り…平和はコミュニケーションから」のもとに開催された。丹羽真一会長講演は「リカバリーをめざして」であった。
12月 第20回学術集会in大阪(籠本孝雄大会長)が大会テーマ「LINK!SSTからつながる人の輪 技術の輪」のもとで開催された。皿田洋子副会長講演は「精神科病院で「SST」が根ずくには」であった。名誉会長対談(西園昌久名誉会長と安西信雄副会長の対談)「‘SST’を語る―私が求める臨床家像とSST」が行われた(西園昌久著:SSTと精神療法 pp.259-277参照)。
ロゴマーク完成
2016年
8月 第22回経験交流ワークショップin福岡(皿田洋子大会長)が大会テーマ「交流して探そうSSTの進化と真価」のもとで開催された。西園昌久名誉会長の特別講演「コミュニケーションと自分―SSTの真髄」、安西信雄副会長講演「『重度かつ慢性』と地域生活支援~SSTの新たな役割と可能性~」が行われた。
12月 第21回学術集会in名古屋(岩田仲生大会長)が大会テーマ「続・SSTの進歩―20年をともに過ごした愛知から―」のもとで開催された。丹羽真一会長講演は「リカバリーの時代とSST発展の展望」であった。
SST出前講座が開始となった。
2017年
8月 第23回経験交流ワークショップin金沢(鈴木道雄大会長)が大会テーマ「つなげよう未来、広げよう社会~北陸(ここ)からはじまる明日への一歩~」のもとで開催された。特別講演「SSTと希望の回復」西園昌久名誉会長が行われた。
11月 第22回学術集会in希望郷いわて(樋口日出子大会長)が大会テーマ「希望郷いわてで共に学ぶSST」のもとで開催された。安西信雄副会長講演「SST出前講座―そのねらいと内容、可能性」が行われた。
2018年
7月 第24回経験交流ワークショップin東京(安西信雄大会長)が大会テーマ「みんなで拓こう新しい時代のエンパワードSST」のもとで開催された。
12月 第23回学術集会in札幌(上野武治大会長)が大会テーマ「すべての人の尊厳を支えるSST」のもとで開催された。皿田洋子副会長講演「「生きる力」が育つ学校文化を創る SSTを実施して」が行われた。
2019年
7月 第25回経験交流ワークショップin徳島(大森哲郎大会長)が大会テーマ「育て・巣立て・翔び立て」のもとで開かれた。名誉会長講演「孤立・孤独の不安とSST」が西園昌久名誉会長により行われた。安西信雄副会長の講演「入院から地域へ/症状から機能へ/失意から希望とリカバリーへ―これからの精神科医療とSSTの役割―」が行われた。
12月 第24回学術集会in群馬(浅見隆康大会長)が大会テーマ「メンタルプラスの時代へ~もっとモバイルな、もっとカラフルなSSTを~」のもとで開催された。西園昌久名誉会長による教育講演「自らを語る意味―SSTの真価」、丹羽真一会長講演「SSTを広げ、深める」が行われた。
2020年
・COVID-19感染症のため経験交流ワークショップと学術集会が共に1年延期と決定された。
・8月リバーマンが逝去。
2021年
7月 第26回経験交流ワークショップin仙台(丹羽真一大会長)が大会テーマ「小さくたってきらりと光る私の経験、ワークショップでみんなの宝に!」のもと開催の予定であったが、COVID-19感染症蔓延のため中止となった。
7月SST普及協会オンライン研修会が開かれ313名が参加した。丹羽真一会長講演「SST(社会生活スキルトレーニング)へのニーズの広がりにどう応えるか」が行われた。
12月 第25回学術集会in山口(中川伸大会長)が大会テーマ「原点回帰~SSTのエッセンスを求めて」のもとでライブ配信とオンデマンド配信で開催された。中川伸教授により大会長講演「精神疾患とその治療の多様性」が行われた。名誉会長講演として「逆光からの照射―SSTの真価」が西園昌久名誉会長から話された。池淵恵美副会長講演「エンパワードSSTの実際」が行われた。
2022年
4月 西園昌久名誉会長が逝去された。
7月 第27回経験交流ワークショップin近畿(岩田和彦大会長)が大会テーマ「さまざまなSSTの新たな広がり」のもとで開催された。特別講演「コミュニケーションとは」が劇作家・演出家である平田オリザ氏から行われた。伊丹昌一教授による教育講演「教育現場におけるSST」があった。
11月 第26回学術集会in九州沖縄(大鶴卓大会長)が大会テーマ「多様性とSST」のもとで開催された。大鶴卓大会長講演「DMATの経験から遠隔診療の可能性」、河岸光子副会長講演「SSTを普及するための組織を作ろう」が行われた。
2023年
★3月に西園昌久著(SST普及協会監修)「SSTと精神療法―コミュニケーションの意味とスキル」が金剛出版から出版された。
7月 第28回経験交流ワークショップin名古屋(高木友徳大会長)が大会テーマ「日々に根ざしたSST」のもとで開催された。丹羽真一会長講演「SST普及の30年―現在地から先を見渡す」が行われた。
12月 第27回学術集会in金沢(菊知充大会長)が大会テーマ「わかる、伝わる、つながるソーシャルスキル―SSTで新しい時代を拓こう」のもと、北陸支部、南関東支部合同の実行委員会体制により準備されて開催された。菊知充大会長講演「発達障害の特性を理解した関わりを目指して」、安西信雄副会長講演「これからのSSTに望まれるものーわかる・伝わる・つながる力を高める」が行われた。
2024年
7月 第29回経験交流ワークショップin北東北(田﨑博一大会長)が大会テーマ「SSTの魅力を再発信~Collaboration with…~」のもとで開催された。池淵恵美副会長講演「精神障害の社会モデルとSST」、田﨑博一大会長講演「人口減少社会における産業保健メンタルヘルス対策」が行われた。
11月23日~24日 SST普及協会創立30周年記念事業プレ大会が帝京平成大学(池袋)本館にて開催される。